【書評・要約・まとめ】仕事の教科書 厳しい世界を生き抜く自分のつくりかた【北野唯我】

読書

どうも。まさおです。

面白い本を見つけたので、書評記事としてまとめました。

今回の記事では、北野唯我さんの「仕事の教科書」についてまとめました。

本当に仕事の教科書です。しかも、どの仕事のにも通じる教科書です。

もちろん業種ごとでする仕事は異なるので、実務的なことは各仕事で覚えていくものです。ですが、この教科書に関してはすべてに通ずる内容となっており、考え方が学ぶことができます。

しかも厚くない。読みやすい平易な言葉で書いてあり、作者のやさしさがうかがえます。

新社会人の方、若手社員の方には教科書として読んでもらいたいです。

内容もするする読めるのでぜひ手に取ってみてもらいたいです。

目次

CHAPTER1 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術

CHAPTER2 「わかりづらい」から脱却するための文章化術

CHAPTER3 相手から「Yes」を引き出すための提案術

CHAPTER4 健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術

CAPTER1 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術

仕事が遅い人と思われたくないあなた。

よく仕事では「量か、質か」と言われるが、若い頃は量でも質でもなく、仕事はスピードを重視するべきである。

なぜならスピードは量にも質にも転換させられるから。

速いスピードで仕事をさばける人は、当然、量を子なることができるし、ゆっくり丁寧に1つのことに取り組み、質を高めることもできるものです。

「若い頃」はと述べましたが、なぜかというと「スピードは、ビジネス人生の最初の数年間で決定される部分が大きい」からです。

ゆっくりとしたスピードで働くことになれた人が、そのあと速いスピードに生えるのはむずかしい。

できるだけ早く「スピードを重視して働くこと」をおすすめする。

1.タイミングの法則

ビジネスの世界では、「タイミングを制する者がスピードを制す」が原則である。

つまり、「仕事が早い=タイミングが早い」である。タイミングは「いつやるのか?」という視点。

仕事が早いと評価されるうえで重要なのは、「どれだけ時間が、かかるか?」よりも「いつやるのか?」なのだ。

私たちは具体的にどうすればいいのだろうか?答えは、【タイミングの法則】を理解し、使いこなすことなのだ。それは、次の「3つのすぐ」を意識し、実践することだ。

  • 「すぐやる」……依頼された日のうちに、0.01%でもその作業に取り掛かること
  • 「すぐ出す」……締め切り期限より早くに提出すること
  • 「すぐ答える」……その場で暫定回答をしたうえで、1週間以内など期限を区切って正式回答をすること

正直、どれだけ時間がかかるか?の問題は、ベテランであればあるほど強い。経験値とタスク処理のスピードは比例するからだ。一方で、3つのすぐは気持ちの問題で解決できる。

ビジネスでは信頼が重要である。なるべく早いタイミングで仕事に手をつけ、期限の前に仕事を終わらせること。即答すること。

その繰り返しで、信頼を獲得していくこと。それができれば必ずチャンスが来る。

2.スピードをアップさせる3法則

仕事をこなすスピードを上げるための3つの法則がある。

  • 【目標の法則】
  • 【分解の法則】
  • 【計測の法則】

である。

目標の法則

【目標の法則】は、必ず目標をもって仕事に取り掛かるべき、ということだ。多くの人はこう考える。

「まずは、とにかく知識を身に付けよう。知識があれば、仕事を速くこなせるようになるはずだから 」と。仕事を速くこなすために、まず知識を身につけよう」と考える。

だが、成果を上げる人とは、「まず目標を明確にする→効率的な計画を立てる→行動に移す」の順番で動いた人なのだ。

何かをはじめようとするとき、究極的に大切なことは、「まず目標を明確にするなのである。

効率的に成果を上げるためにコツは、つねに「目標→計画→行動」という順で進めることである。

分解の法則

【分解の法則】は何事も分けて考えれば早くなるということである。

作業スピードをあげるに重要なのは「分解すること」に尽きる。

例えば、1つ企画書をつくるにしても、完成するまでには10以上のフローが存在している。

ひとつひとつのフローを分解して考えることで、「自分の課題がどこにあるのか?」が分かりやすくなるのである。

計測の法則

【計測の法則】は、「分解したことを、要素ごとに、客観的に記録する」「数字や変化をメモする」ということである。

たとえば、メール1本返信するとき、「メールアドレスの入力」「メール文面のベース作成」「推敲・編集」「送信」など、それぞれのタスクにどのくらい時間をかけているか、ざっくりでいいから計測するべきである。

こうすることでなぜあなたは仕事が遅いのか「構造的に」「ロジカルに 」わかるようになる。

3.経営と実行分離の法則

1つのタスクを完了させる仕事のスピードとは、「集中力×処理能力」で説明できる。

残念ながら、「処理能力」は先人のほうが高いことの方が多い。

となると、あなたにとって重要なのは、「いかにして集中力を高めるか?」にある。

その方法論とは【経営と実行分離の法則】である。

この法則の本質は、あなたの中に「経営者」と「実行者」を分離させて仕事をすすめるようになるべき、ということだ。

どういうことかというと、経営者のすべき「やるべきことを整理すること」と実行者のすべき「整理されたことを実行すること」を分けて行うのである。

4.チャンスをゲットする2構文

「すぐ」「すぐ」「すぐ」と言われると、しっかり判断できないまま安請け合いすることになってしまうのではないか、という不安を感じてしまうかもしれない。

でも、大丈夫だ。これから紹介する2つの構文が、その不安を解消してくれる。

  • Yes, but構文
  • Help needed構文

の2つである。

Yes, but構文

【Yes, but構文】とは、まず、「やります!」と言いつつその後に条件をつける、ということだ。

たとえば、あなたが上司から、新しいクライアントへの営業提案を打診されたとしよう。

あなたがやるべきなのは、その打診に対して細かい条件を聞くのではなく、「やります!」と意思表示することだ。

そして、その後に、「ただ、営業提案にはあまり自信がないので、教えていただけますか?」と細かい条件を確認するのだ。

Help needed構文

【Help needed構文】とは「Yes, but」の後に、「Help needed」をつけて「ここを助けてほしい!」と宣言することだ。

前述のケースであれば、営業同行してほしい、提案する前にロールプレイングをさせてもらうことなのか、現時点で自分に足りないことを「正直に」伝えるのだ。

このとき重要なのは「その場で」約束を取り付けることだ。

その場で不明点を言わず、曖昧な答えだけをしてもち帰ると期待値だけが一気に上がってしまうためである。

CHAPTER2「わかりづらい」から脱却するための文章化術

「わかりやすさ」をつくる技術

「あなたの文章はわかりづらい」と言われないために、まず必要なのは「わかりやすさ」を作る技術だ。

どうすればわかりやすくできるのか?覚えておきたい3つの法則がある。

目的ファーストの法則

【目的ファーストの法則】は文章の冒頭で、①目的、②所要時間の2つを伝えることである。

すべてのビジネスの文章の目的は、相談か、共有か、意思決定のどれかだ。

まず、わたしたちが意識すべきことは文章の冒頭に、これら3つのどれが目的なのかを伝えられるようにすることだ。

また、事前に所要時間を伝えることで、時間を取ることに対して納得してもらう必要もある。

動詞の法則

【動詞の法則】はすべての文章に、必ず「動詞」を入れることである。この法則で、わかりづらさから脱却できる。

ダメな文章例として「◯◯について」がある。「いい文章の書き方について」「組織改編ミーティングについて」という文章には結論がない。

ここで【動詞の法則】を使うと「いい文章の書き方をご紹介します」「組織改編の進捗共有&ご相談」などとなる。

さらに、【目的ファーストの法則】を使い、「【ご紹介】いい文章の書き方について」「【共有&相談】組織改編について」としよう。

文章とは、「動詞=結論→そのほかのオマケの文章」という順番が人間にとって理解しやすいのだ。

短文の法則

【短文の法則】はとにかく文章を短く切るのである。「短文をかけること」が文章作成のコツである。

具体的には「形容詞」「副詞」「接続詞」を最小限に抑える。そのうえで、全体的に短く切ること。

短さの指標としては、「一文が40文字以内、できれば20字以内に意地でも抑える」ことだ。

「文章が下手だから、短く書けません」は間違っている。短く書こうとしなければ、いつまでも文章がうまくならない。

CHAPTER3 相手から「Yes」を引き出すための提案術

問いの立て方

相手から「Yes」を引き出す提案をするためにまずやるべきことはなんだろう?それは、「問いの立て方」を身につけることである。なぜなら提案とは問うことだからだ。

価値ある提案をするには、3つのフローが必要となる。

  • ペインを探す
  • 最大の問を設定する
  • 問いを分解する

の3つである。

ペインを探す

すべての問いは、ペインから発生している。ペインとは、悩み・痛み・不満・不安・非効率などの痛みの総称である。すべてのペインは、「目標と現状のギャップ(=差)」から生まれている。「不幸せである(=悩み)」「仕事で評価されたいのに、評価されない(=不満)」といったギャップである。ペインを明らかにし、そのペインを解消する答えが得られる問いを立てるべきである。

最大の問いを設定する

【最大の問いを設定する】とは、この問いが解けたら、「不安がなくなった!」「悩みが解決した!」というような、最終的なゴールを設定することである。このとき、相手の1〜2つ上の視点まで一貫して考慮した問いを立てる【上位一貫性の法則】が役に立つ。クライアントに提案したいときは、担当者だけでなく上長や経営者のペインも考慮した問いを立てよう。

問いを分解する

【問いを分解する】とは、先ほど設定した「最大の問い」を小さく分解し、解きやすい粒度まで細かくするのだ。このときに役に立つのが、「セントラルクエスチョンを立てる→サブクエスチョンに分解する」という【セントラル・サブの法則】だ。

たとえばセントラルクエスチョンが「どうやったら世界一のシェフになれるのか?」だった場合、「これを解いていったらセントラルクエスチョンが解ける」という問いをサブクエスチョンに設定する。「前提として、世界一のシェフの定義は何か?」「いまの世界一のシェフはどんな人で、若い頃、どんなことをしてきたか?」「これをを踏まえて、私は明日からどう時間を過ごせばいいか?」といった サブクエスチョンを解いていったら、自然とセントラルクエスチョンの問題が解けているべきなのだ。

提案のまとめ方

提案には最強のフォーマットがある。最強のフォーマットとは「目的→背景→提案→詳細」である。「目的→背景→提案→詳細」という順番でメモをまとめてから、資料に落とす4段フォーマットである。

それぞれの言葉の定義は、

・目的:めざすべきゴールであり、「何ンためにやるのか?」を指す。

・背景:その目的に至った理由であり、「なぜその目的達成が必要なのか?」を指す。

・提案:目的と背景を踏まえたうえで、「こうしたい」「こうあるべき」という案である。

・詳細:スケジュールや担当、リスクなど、補足的な情報である。

詳細を書くときには、【とはいえの法則】を使って、提案の強度を上げることができる。人が「やらない理由」を話すとき、「とはいえ」という言葉を使う。この「とはいえ」を使って、「やらない理由」を1つずつ徹底的に潰していくのである。

CHAPTER4 健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術

自分の「取り扱い説明書」をつくろう

「ご機嫌であること」がリーダーにはとても重要な要素である。正確に言うと、「自分で自分のご機嫌を取れること 」である。

自分の人生のリーダーは自分である。そのためには 「自分の人生の取り扱い説明書」を作るべきだ。行きつくところ、自分の取り扱い説明書を作る=自分で自分の感情をリードできるようになるということなのである。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この本は仕事の教科書という題名ですが、まさしくその通り。仕事の教科書として困ったときはこの本を読めばいと思います。仕事における基本的なことをしっかりと押さえており、大学生や新社会人の方に手に取ってもらいたい本ですね。

また、社会人としてある程度の年数が経っている人にもぜひともお勧めしたいです。仕事の基本は何歳になっても絶対に必要です。基本が抜け落ちている人はぜひ読んでいただいて基本を身に付けてほしいところです。

濃い内容の一冊となっております。ぜひとも読んでみてください。

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