FP2級のまさおです。
みなさんは保険に加入しておられるでしょうか。
保険に加入されている方は、保険会社に毎月定額を支払っていると思います。
ところでこの保険会社へ支払う金額はどうやって決まっているのでしょうか?
今回の記事では保険会社が保険金額について考える基準について考えていきたいと思います。
保険会社は民間企業である
保険会社はあくまで民間企業です。そのため、利益を出せなければ倒産してしまいます。
民間企業として利益の担保できる設定金額であるということを知っておいてください。
保険の価格設定について
ここからは保険の価格設定についてまとめていきたいと思います。
保険の価格設定については下記のようになります。
「純保険料」や「付加保険料」といった専門用語もありますが、今回はその専門用語はすべて置いといて一般的に使う用語で説明していきたいと思います。
通常の商品の場合の価格設定
例えば、チョコレートについて考えてみたいと思います。
100円で売っているチョコレートは製造原価が50円、販売経費が40円、営業利益が10円とします。
この場合、売上は100円、仕入は90円。利益は10円となります。
実際に1個売れても10円しか利益は出ていないわけですね。
保険の場合の価格設定
保険もこれと全く同じです。
保険会社の利益は以下の通りになります。
例えば、計算が簡単な掛け捨ての死亡保険について考えたいと思います。
死亡保険の加入者にが亡くなった際に1000万円支払われるような仕組みの保険の価格決定について考えます。
まず30歳の男性の死亡率(30歳の1年間のうちに死ぬ確率)は0.052%です。1000人いると0.52人がなくなる計算になります。
亡くなる人の人数を0.52人→1人にして計算すると、1923人に1人が亡くなる計算です。
例えば、この1000人が全員この死亡保険に加盟していたとします。月額の保険金が1000円だった場合1人当たりが12000円を保険会社に支払います。
年間で12000円×1923人=2307万6000円が保険会社に払い込まれます。
年間で1人亡くなったことにより、1000万円を支払うことになるため保険会社の粗利益としては2307万6000円-1000万円=1307万6000円となります。
この粗利金額から経費を引いた金額が保険会社の利益となります。
最終的に保険会社の営業利益率は5.0%(1153800円)前後になりますので、経費は1307万6000円ー1153800円=11922200円となります。
保険金額は確率に基づいて決定されています。
今回の計算は実際の死亡率に基づいて行っています。想定では1人亡くなりますが、3人亡くなてしまうと支払金額が3000万円になってしまうため、赤字です。
逆に1人も亡くならなければ支払金額は0円になるため、単純に利益が1000万円追加です。
厳密にはもっと複雑な計算をしているとは思いますが、こういう形で保険の金額が決定していると思ってください。
通常商品と保険商品の比較
通常商品と保険商品を比較してもらうと、保険には製造原価というものがありません。
保険は確率論に基づいたお金を動かす商売となっております。
また、保険は”モノ”としての形はない商品です。
そういう意味では宝くじや競馬などと似ています。
公営ギャンブルは購入は同じ回での購入は1回きりですが、保険は自分の身をかけて継続して行うギャンブルとも言えるでしょう。
ギャンブルは自分が賭けた金額しかマイナスにはならないですが、保険は普段の生活でマイナスになることが起きた場合に±0に持っていく商品となっています。
そのあたりが通常売買されている商品とは異なりますのでご理解ください。
まとめ 保険金額は確率に基づいて決定されます
保険会社は上述のように保険の金額を決定しています。
あくまで確率に基づいて金額は決定されているのです。
この金額の決定方法について理解していただければ保険に加入する際にも参考になると思います。
今回は死亡保険について解説させてもらいましたが、その他の保険も同様に確率から計算されています。
また、貯蓄型の保険などはもっと複雑な計算になるため今回はしておりません。
良い保険を選ぶことができるように祈っております。
その他、保険を選ぶ際に参考になる記事も書いておりますので読んでいただけると幸いです。
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